あと1か月と10日ほどに迫った、発表会のプログラムが出来ました!
発表会では通常よりも長くその曲に取り組みます。数か月にわたり取り組むからこそ見えて来る「その曲らしさ、その曲の持つ音楽の世界」があります。
指導をする私も「もっと良い表現、もっと良い演奏を・・・」という思いでレッスンしていきます。
そしてできれば、実際に曲を演奏する生徒さん自身にも、長く曲に向かい合う中で「もっとこう弾きたい、もっとこう表現したい。」
と曲を掘り下げて深める作業をしてほしいと願っています。
先日、ピアニスト江口玲さんのピアノリサイタルに行ってきました。
江口玲さんはピアニストであり、編曲や作曲もされ、東京芸術大学で教授として後進の指導もされています。
何より演奏が素晴らしく、あたたかいお人柄と相まってあたたかで多彩な音色と、まるで楽譜が立体的に見えてくるような知的な演奏に、いつも感動を覚えます。
この日は演奏会の最後に、ショパンがその時代実際に使っていたプレイエルというピアノを演奏して下さいました。
現代のピアノより繊細で少し華奢な感じの音で奏でられるショパンのマズルカに、遠いショパンの時代にタイムスリップし、ショパンと同じ音の世界を感じ共有しているような、ショパンの演奏を生で聴いているような錯覚を覚え、心躍る楽しいひと時でした。
我が師、ピアニストでもあり大学教員のK氏の数回目のピアノ・テクニック講座
に行ってきました。
同門の友人たちの顔もちらほら見えました。
講座では、先生が積み上げてこられたこと、経験し体験し試行錯誤して現在確固
たる確信として築かれた奏法について、あらゆる角度からお話しして下さいます。
K先生は、ご自身が影響を受けた恩師の一人である、O・P 氏を昨年3月に日本に
招聘し、公開レッスンと同氏のリサイタルを一日がかりで開催されました。
その講座を聴き、K先生のピアニズムの原点が理解できたように感じたことを覚
えています。
昨日も仰っていましたが、「私がこのようにお話ししているテクニックについて
は、私自身が私の恩師からわかりやすく具体的に伝授されたものではありませ
ん。勿論演奏で示してはくれますが、それを自分なりに総合的に集約して掴んだ
ものを、自分なりの表現でまとめているのです。」と。
K先生の講座を第1回目から昨日の4回目まで連続して聴いていると、自分だけで
はなかなか見えてこなかったピアノ奏法の原点、基礎の部分が、深い霧が晴れる
ように明らかになってくるように感じます。
私は自分が今習得した全てを生徒さんに与え、そして最善の環境で、奏法の基礎
から身につけてもらえるように頑張って指導したいと思っています。
その為にも・・・今年は新しい試みとして、不定期ですが「ホール練習会」又は
「ホール試演会」なるものを催してみようかと考えています。